エリートな彼に甘く奪われました
注目されて目のやり場に困り受付カウンターに両手をついたまま自分の足元を見る様に俯いた。

(あ~あ、もう、早くしてくんねーかなぁ)

と思ったその時、

「浅香さん、お待たせしました。えっと、千六百七十円、ですね」

「あ、はい、どうも」

お金を受け取り何気なくその女性を見る。

(うん、まあまあかな…)

ゆるいカールのかかった肩までのやわらかい栗色の髪。伏し目がちでよく見えないけれど長い睫毛からは大きな瞳を思わせる。形のいい小さな唇にはきれいにルージュが引かれている。




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