先生が生徒を監禁して


「……うーん。スイーツ食べたい……」


「安い人間ですねぇ、あなたも」


むっとする夏川に近づく。


「な、なに」


「スイーツよりも、もっともっと甘い物が欲しくありません?」


「ならないよ」


「なりますよ、いずれね。とりあえず今日は甘いスイーツを差し上げましょう」


「やた」


「覚えておきなさい、夏川璃苑。俺を喜ばすことができるのならば、それなりの見返りを貰えると」


言うなれば、猫だ。


主人の機嫌取りをしていれば、見返り(餌)をもらえるという。


「せいぜい、俺の機嫌取りをなさい。よがって、泣いて、笑って、自分の存在全ては俺のためにあると学ぶことだ」


髪をすくう。

一束に口づけをし、後を去った。


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