薬指~未来への誓い~

誓い

目の前には重厚な扉。

7月の挙式。


私がリクエストした一番好きなヒマワリの花のブーケ。



隣には、私より緊張してる私の大好きなお父さん。


私はバージンロードを歩くんだ。





挙式前に私はお父さんやお母さんにお礼も出来ずにいた。


ありがとうって伝えたいのに、照れくさくって言えなかったの。





『お父さん?緊張してるの?』

『そんな事ないよ』

そんな事ないよって言ってるくせに、さっきから額の汗をふいてるじゃん。

強がりなとこはお父さん譲りなんだな、私。




『お父さんと腕組むのなんて、何年振りかな』

『そうだな。小さい頃は膝によく乗ってたのにな』

『今度、乗ってあげようか?』

『重いから遠慮しとく』

『ひどいっ』



あ…、
お父さんが笑った♪
そう、今まで私を守ってくれたこの大好きな笑顔。



『お父さん?寂しくなる?』

『賑やかいのがいなくなるから静かになるな…』




どうせ私は“おしとやか”じゃありませんよ~だっ。


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