AZZURRO
「…ならば
明日城にいくか?」

黙ってワインを飲んでいたクリスが口を開く

その言葉に
雪乃の目が輝いた

「本当ですか!!?」


食いつく雪乃とは対照的に
ケシャは複雑な表情を見せる


「ああ。
明日は宴がある。
皇后陛下もユキノに会いたがっているし
良い機会だろう。」


「やっと外にでれる…。」

嬉しそうに頬を緩めた雪乃に
ジャンの険しい声が飛んだ

「ただし
常にケシャを傍に置き

クリス様のお傍を離れませんよう
くれぐれもお願い申し上げます。」


「え…。」


「つい先日、お命を狙われてばかりですよ?!
城内とはいえいつ何があるかわかりません。

それに
皇族や一般貴族も参加するのですから
人も多く混雑が予想されます。

どうか
御身の安全を一番にお考えください!」


ズイッとジャンの厳しい表情が迫り
雪乃は肩をすくめた

< 99 / 319 >

この作品をシェア

pagetop