HELLO
「誰やろ、こんな時間に」

今だと言わんばかりに親太朗が玄関に向かった。

「あっ!」

私も玄関について行く。

と言うよりも、親太朗を追いかける。

親太朗がドアを開けると、
「きったよー!」

「ゲッ…」

ケーキの箱を片手に笑顔で手を振る百合子ちゃんに、親太朗は小さく呟いて青くなった。

「百合子ちゃん!」

お久しぶりの登場に親太朗を退けて百合子ちゃんに抱きついた。

「杏ちゃん、久しぶりー!

元気やったー?」

「めっちゃ元気やでー!」

関西弁に関西弁を返した私たちは笑いあった。
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