Rose of blood
空耳だと思って私は特別気にも止めずにお化粧室を出た。


でも、この声が全ての始まりだった。


始まりではなく、ただ止まっていた時間が動き出しただけなのかもしれない。


私は両親の待つテーブルへ戻った。



「パパ、ママお待たせ」

『そろそろ帰ろう。明日から学校だろう』

「うん」



帰りも父の運転する車に乗り家に帰り着いた。


帰り着いてすぐお風呂に入りいつもより早く眠りについた。


その日はなんだか懐かしい夢を見たような気がした。






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