軽業師は新撰組隊士!



「…か……。」


近藤がフルフルと震えだした。

楓は、屯所内に猫を入れたことを怒っているのかと思って、土方に尋ねた。



「も、もしかして、反対されますかね?」


「いや、そりゃあないだろう。なんてったって近藤さんは、」



そこまで土方が言ったとき、

近藤が克に抱きついた。



「かっわいーじゃないか!黒猫!毛並みも良いし、最高だ!」


「ミギャアー!か、楓!助けてくれい!」


「…無類の猫好きだ。」


土方が、ため息をつきながら言った。



「良かったねお父さん。一緒に暮らせるよ…。」


「な、なんじゃ、楓。その安堵と同情の入り混じった表情は!」




克が、近藤から解放されたのは、それから一時間後だったという。




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