軽業師は新撰組隊士!



でも、

言葉を交わして
ささやかな気配りを見て



「優しい、ですよね。土方さんって。」


いつの間にか、
この時代で、一番傍にいて安心できる人になっていた。



「…お前にだけだろ。」


「え?」


「いや、何でもねぇ。」



土方がボソッと呟いた言葉は、幸か不幸か、楓には届かなかったらしい。


そして土方は、楓に言う。



「お前、昨日と同じ服だけどよ、……着替え、持ってねぇのか?」


土方に言われて
うっ、と言葉に詰まる楓。





< 79 / 250 >

この作品をシェア

pagetop