同窓会
温かな友人たち
「遅ぇよ!」

大石くんのあとに続いてお店に入ると、佐伯くんの大きな声が聞こえた。

「悪ぃ。」

右手を軽く上げて、大石くんは返事をした。

私も小さく頭を下げた。

「良かったな、恭也。」

佐伯くんを見ると穏やかな笑顔だ。

「え?」

「お前の長年の片想いが実って。」

「「ぇえーーー!??」」

佐伯くん以外のみんなが驚いた顔をしていて、それが可笑しかった。

「…なんで、お前知って!」

「自分から女の話をしないお前が、片桐さんのことだけはいつも気にしてたんだから、それで気付かない方がバカだろ。」

「…マジかよ。」

大石くんは小さく呟き、頭を掻いた。

恐るべし佐伯くん。
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