社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



拓斗さんを待つと決めたのはお母さんに言われたからじゃない。


そりゃ、少なからずお母さんの影響はあるけど嫌嫌拓斗さんの帰宅を待ってる訳じゃない。





「ん〜」





それが、私の理想であって夢だから。


その夢に一歩でも近付く為に。


私もお父さんとお母さんみたいなそんな夫婦になれる様に拓斗さんの帰宅を待っているだけ。


それに待つのも以外と楽しいんだよ?


拓斗さんが食べてくれる所を想像してれば時間だってあっという間に過ぎていくから大丈夫。





「まだかなぁ」





――だけど拓斗さんはどれだけ待っていても帰ってくる事はなかった。


それは時計が朝の8時と表示されても変わらず、拓斗さんが帰ってくる事はなかった――…






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