崩壊家族
それは、私が思い描いて望んでいた生活そのものだ。

「次は何にする?」

そう聞いた洋介に、
「そうねえ…。

エビにしようかしら」

私は言った。

「エビね。

じゃあ俺は、イカを頼むかな」

それから私たちはパクパクとお寿司をたくさん食べた。

やっぱり、洋介とやり直してよかった。

だって、今がすごく楽しいんですもの。

「さゆり、食べ過ぎ」

「そう言う洋介だって、いっぱい食べ過ぎてるじゃない」

積みあげられているお皿を見ながら、アハハと2人で笑いあった。

これが、私が夢見ていた生活。

壊すつもりも、手放すつもりも……もちろん、ない。
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