セックス·フレンド【完結】
「ちょっと、みぃたん」

「なに…」


振り返ると、西村は携帯を閉じ、ふぅとため息を吐いた。


「もう、いい加減に諦めなよ」


「あきらめる?」


「いい年して、みっともないよ。元カレのセフレなんてさ」


「西村君には関係ないことでしょう」


冷静に言ったつもりだけれど、あたしの声は震えていた。


そんなあたしに、西村君はさらに追い討ちをかける。


「なんか、悲しくなるよ。みぃたん見てると」



それには答えず、「お疲れ様」と、あたしはバックルームを出て行った。


悲しくなるよ。
みぃたん見てると。


帰り道、西村君の言葉は、湿って生暖かい夜風とともに、あたしにまとわりついて、はなれなかった。
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