囚われジョーカー【完】




私が座る席に向かい合うようにして座った明日香さんは、少し困ったような笑顔を浮かべ私を見た。



それに、首を傾げて見せた私の頭を明日香さんは優しく撫でる。


どうしたんだろうか、私がその行動の答えを聞く前に明日香さんは口を開いた。




「どうしたの、何かあった?」

「……何で、ですか…?」
















「だって、菫ちゃん」



「泣きそうな顔してるんだもん…。」




そう言うなり、自分が泣きそうな顔になってしまっている明日香さん。


―――嗚呼、遂に私は、表情に表れるような゙駄目な女゙になってしまったのか。




鏡なんて持ってないから自分の顔を確認することも出来ない。


まあ、すごく情けない顔してるんだろうけど、ね。





< 103 / 393 >

この作品をシェア

pagetop