囚われジョーカー【完】




それに「野菜炒めと玉子スープでも」と答えた私に三浦さんはこれまた興味なさそうにふーんとだけ漏らしまた視線をテレビへと戻した。


そんな態度とるなら初めから聞くなと内心苛立った。



暫くして、出来上がったおかずや汁物をテーブルに並べる。白飯は申し訳ないけど冷凍のものを温めたもの。

まあ、突然押し掛けられたようなもんだし仕方ないかな。



「いただきまーす。」

「いただきます。」


ぱちんと手を合わせた三浦さんは感想なんて気の効いた言葉は口にせず、黙々と料理を口に運んでいく。



そんな彼にはもう慣れたし、大して気にしなくなった私も会話を殆ど交わすことなく食事を進めた。




――食べ終わり食器を片していた私に、男は内心意地悪く笑いながら近寄ってくるのだ。





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