囚われジョーカー【完】




三浦さんの口から発せられた声色は不機嫌で、刺々しい。


問いかけられた言葉の意味は分かっていたけど、わざと聞き返した。



その私の思惑に珍しく気付いてないらしい三浦さんは、尚も猟奇的に目をギラつかせ私を見下ろしている。



「バイト先の、友人です。」

「へえ。で、その御友人に告白されていたと?」

「……、」


皮肉めいた言い方に内心苛立ったが、小さく息を吐き出し気持ちを抑える。

てか、この人どこから見てたんだろう。それって卑怯じゃない?私だけ責められる現状が納得できない。




「…だったとしても、三浦さんには迷惑かけてない。」

「……。」

「関係、ないじゃないですか。彼氏でもないのに友好関係まで干渉…」



゙干渉されたくない゙という言葉は、私の口から音となる前に三浦さんの唇によって遮られた。





< 89 / 393 >

この作品をシェア

pagetop