囚われジョーカー【完】
「うっせ。」
「私は親切で言ってるんです。」
「あー、取りあえず夜にまた。」
「私、了承して…」
「じゃあなー。」
指をひらひらと振るようにして、リビングへと戻ってしまった三浦さんの背中に向けて溜息を一つ。
有無を言わせない態度は彼らしいと言えば、彼らしい。
私はそっとドアを開け放ち、部屋を後にした。
【もう一人のジョーカーは?】
図書館近くの洒落た喫茶店でバイトをする、一般人の大学生。
年齢は22歳、この春に大学を卒業する。
そんな女子大生と若社長との共通点は、0(ゼロ)。
彼が、彼女が、騙すのは
゙お互いの思い゙?
それとも、二人の゙距離゙か?