空耳此方-ソラミミコナタ-
もう既に現実でも拳を握り、春がきた…と涙を流す炯斗を、言乃は困惑した顔で見つめる。

【あの、色々大丈夫ですか?】

「はいっ!」

【…
じゃあ、行きましょうか?】

幸せな顔で、歩き始める言乃をおう炯斗。

本当に大丈夫でしょうか?

横目で炯斗を見つめながら、言乃はふと思った。



そんな二人を離れたところで見つめる目が一対。
歩き出した二人を距離をおきながら尾行を始めた。



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