四竜帝の大陸【青の大陸編】
「どこも硬いな。しかも鱗があって、食べにくそうな……。鱗を剥がさねばりこの口腔が傷つく。ああ、人間は料理をし、食べにくい食材を食するに適した状態にするのだな。料理人を調達し、そやつに我の最も柔らかく美味そうな部位はどこか助言をさせるとしよう! りこ、すまないがちょっと待っててくれ。急いで料理人を確保し、速やかに調理させるゆえ」

金の眼をくるっと回し、ふわりと浮かび背を向けたハクちゃんを私は慌てて引き止めた。
この子の思考回路はどうなってるの!?
竜なんて食べないし、私の世界には存在しないし……てか、ハクちゃん死ぬ気?
たかが朝ご飯のために自分を犠牲にするなんて、キリストも真っ青の博愛精神?
そんなのノー・サンキューです!

「ごめん。ハクちゃん! 私の世界も竜は食べないの! 朝食、今日はいらない。お腹空いてないし」
「遠慮はいらぬぞ? 我は竜族の中でも最高の再生・治癒能力がある。肉を取られたとて平気だ。試したことは無いが、確信している!」

手を腰に当て、何故か偉そうに言うハクちゃん。
そのポーズ、ナイス・ラブリー!
……じゃ、なくて!

「ハクちゃん。あなたを食べるなんて無理。友達みたいに感じて……私達、友達でしょう? その気持ちだけで充分よ」

私はちょっとうるっときた。
ハクちゃんは私の為に自分を食料に……。
ハクちゃんが人間だったら即・恋愛な気もする。
竜だから友達だけど。
待て、私! 
そうだった。
婚約者がいるんだった。
こっちの世界で恋愛する権利が無いっていうか……あぁ、それよりも私が帰れない場合、せめて私の世界に手紙を送ったり出来ないのかな?
お母さん達に無事を知らせたい。                            
「……」

家族の事を考えてたら、鼻の奥がつーんとしてきた。
そんな私におちび竜ハクちゃんは。

「りこ! りこは友達では無いぞ?」

友達じゃないなんて、悲しいことを言った。 
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