四竜帝の大陸【青の大陸編】
『何故、生きている……<監視者>?』

私はよほど焦っていたのか、父とゼイデが着いて来ていたことは隣に父が跪いてから知った。
セシーとミー・メイも居た。

跪き、頭を垂れて沙汰を待つしかない。
ほんの一瞬、頭の中に風を感じた。

『なるほどな。視点の差はあるが、結果は1つ』

頭に言葉が浮かぶ。
声ではないが‘聞こえる‘……これが念話というものか。
ここにいる全員の記憶を読み取り、暴く。
<監視者>には隠し事は不可能なのだから。
子供は母親に必ず言われて育つ。

――嘘をついたら駄目よ。母さんと<監視者>様には通じないのよ。お前の頭の中が丸見えよ。

ああ、その通りですね……母上。

『術士ミー・メイが実行。示唆したのは皇太子。常ならば術士のみ<処分>するところだが。今回は皇太子にも罪がある』

隣にいた父の肩が動いたのがわかった。
全員に聞こえてるらしかった。

『皇太子の罪は我の‘つがい’の心に傷をつけたこと。お前の浅はかさが我のりこを悲しませた。術士は<監視者>として<処分>する。お前は‘つがい‘として報復する。我にとっては初めての私怨だな。楽に死ねると思うな、セイフォン・デイ・シ−ガス・ダルドよ』

私は、死ぬのだ。


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