今夜、俺のトナリで眠りなよ
私はシングルベッドの棚に置いてある小さなカレンダーをボケッと眺めていた。

 今日で結婚して2カ月。

 普通なら、『祝2ヶ月』とか言って、ちょっとしたお祝いでもするんだろうけど。

 そんな気分になれない。

 2ヶ月前に、結婚式をあげて、入籍もした。

 夫と見合いをして、すぐに結婚となったから。互いの仲を深めるまでは寝室を別にしようと、優樹さんに言われて、今もまだ寝室が別のまま。

 今後も、寝室が一緒になる予定は全くない。

 そんな話もしなければ、他愛のない話ですら私たちには存在しない。

 いつ帰ってきているかわからないけど、作った料理はきちんと食されている。

 そして汚れた服が、洗濯かごに無造作に入っていて、新しい服が洋服ダンスから消えている。

 生活している気配はないけれど、帰ってきている形跡はある。

 いつ帰ってきているのかまでは、私にはわからないけれど。

『こんな良い縁談。他には無い! 先方もお前を気に入っているようだし、すぐに結婚だっ』

 父の言葉を思い出すと、私の胸は重くなる。

 本当に、これが良縁? まるで地獄だわ。

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