Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~



私のマンションの前で

「早く取って来い」

「やっぱり社長の家に行くんですか?」

「何回言わす。お前、不服そうな顔してるがほんとに感謝という言葉を知らんな」

…感謝って誰によ?

「俺の家に泊まれるんだぞ!ありがたがられて当たり前なのに、ぶーたれて…」

別に泊まりたくないです。

「早くしろ」

ひぇ!

社長が車を降りた。

「鍵貸せ。お前が行かないなら俺が行く」

な、なんですってぇ~

慌てて車から降り

「行きます、取って来ます。社長は此処でお待ち下さい」

「初めからそう言え。時間の無駄だ。…10分で戻れ。遅れたら部屋に迎えに行く」

「わ、分かりましたから」

慌ててマンションに行こうとすると

「寝る時に着る物と下着も忘れるな、俺の所には女物はないからな」

「…わ、かりました」

下着なんて…は、恥ずかしい!

社長様にはデリカシーなんて言葉は無いのね、きっと。


家に入り、大急ぎで明日の服や社長様のおっしゃる通り下着やスエットを鞄に詰める。

まだ10分経ってないわよね。


BuBuBu

あ、携帯…

発信者は

社長様!

「はい」

「遅い」

「まだ10分経ってません」

8分よ。

「違う。電話に出るのが遅い」

はぁ~

つ、疲れる。

「すみません。で?」

「喉が渇いた」

「…分かりました」

冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを出して…部屋を出た。


車に戻ると

「10分53秒」

計ってたんですかぁ?

「電話の分引いて下さい」

ペットボトルを差し出し

社長様は一口飲み

「お前も飲むか?」

「…結構です」

訳の分からない気の使い方をしてる。

ほんとに私にはこの社長様は謎だ。


「早く行け」

車を発進させ、一路社長の家を目指す。


< 38 / 452 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop