生意気なハケン君
「まぁ……それはそうですけど」




神城はそう言うと、会議室で見せたあのすねたような表情をした。





――ってそんな顔しないでよ!



まるで私が悪者みたいじゃない……!







これも彼の作戦なのか。


再び私をおちょくっているのだろうか。





どうあがいても会議室で感じた重苦しい雰囲気に、


私は再び苛立ちを覚えてしまった。






「……じゃ、私行くわ」





このまま立ち話をしても、神城との間に出来た溝は埋まらないと感じた私は、




そのまま彼に背を向け部屋へと歩きだす。





だがその瞬間、待って下さい!と大きな声で呼び止められた。





「ちょっ……、そんな大きな声出さないでよ!」

「――まだ怒ってますか?」

「は!?」

「会議室でとった俺の行動と言葉に」







慌てふためる私とは反対に、何故か冷静な神城。



その互いの温度差の違いに、私は余計に腹が立ってしまう。
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