生意気なハケン君
「課長、また顔赤いですよ?」

「いいの!ほっといて!」





おちょくったような言い方の神城。


私の顔を覗き込んで、片眉をあげながらニヤリと笑ってる。





――私、絶対遊ばれてるわよね?






未だに彼の考えが読めなくて、

時々わからなくなる時がある。





その気紛れさはまるで猫のようだ。





生意気で怒らせる事を言ってるクセに、

手のひら返したように甘えた素振りを見せる事もある。





社内で見る限りではてきぱき仕事をこなして、時折話をしながら白い歯を溢してるけど……。






他の人にもこうやって甘えたり、食事をしたりするのかしら。




まぁ、女性の社員が多い職場だから間違いなく声はかけられてるだろうけど。










神城と肩を並べて歩けば、


通りすがりの女性達は皆神城の存在に目を奪われていく。






何だかそれが少しだけ嬉しかった。








周りからは私達の事どう見えるんだろう。



ただの職場仲間?

友人関係?






それとも……――。










「課長!」

「え!?」



――ゴンッ!







よそ見歩きをした結果、電信柱におもいっきり頭をぶつけてしまった私。





神城は私を眺めながら、

頭を抱え深いため息をついていた。
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