生意気なハケン君
そしてその日の夜――………











「かんぱーいっ!」





大小様々なグラスがぶつかりあい済んだ音が店内に響く。






いつもの場所とは、会社から程近いチェーン店の居酒屋。



広い店内には宴会用の座敷スペースがあり、
そこで何度か飲み会をした事がある。





今回もその場所で相変わらずのどんちゃん騒ぎをしていた。









「課長も~たくさん飲んでくださいよぉ」





店に来て、早一時間。



既に出来上がってる部下達が、
寄ってたがって酌をしにくる。






「貴方達、明日も仕事なのよ?いい加減に……」

「――なっ、課長ぉ!全然飲んでないじゃないっすかぁ!」

「仕事なんて忘れちゃぇえ!課長の飲みっぷり見せてくらさいよぉ~」







顔を真っ赤にして、ヘラヘラらいながら私のグラスにビールを注ぐ部下。



私が呆れ顔をしてもお構い無しに絡んでくる。






そんな私を、
神城は少し離れた席で見つめているが、




「神城く~ん!いっぱい飲んでねぇ」

「神城君って彼女いるのぉ??」

「――え?あ、はぁ……」




神城もあっという間に女性の社員に取り囲まれてしまった。
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