モノクロ*メランコリック


私に向けるあの意地悪な顔は、間違いなくまっしろなんかじゃないわ。

私に対して怒ったりすることは今までにもあったけれど、あんな風にニヤッと笑うことなんて、なかった。

一体なにが、引き金になってしまったのかしら。

思い当たる節といえば、シロの家で言った『どうして、彼女作らないの?』発言くらいかしら。

あのとき、『美愛子に彼氏ができたら、ちょっと困るかな』発言も飛び出したのよね。


ストローをくわえながら携帯を見つめるりさを見て、私はため息をついた。

「やっぱりあなたでも、驚くわよね…シロにあんな一面があったなんて」

「何言ってるの。あたしが驚いてるのはそこじゃないわ」

え?

ぽかんとして顔をあげると、頬杖をついたりさと目があった。


「そこじゃないって…じゃあ、どこよ」

「真白にそういうところがあったのは、はじめから知ってたわ。だけど、それを真白がミアにおおっぴらにするようになったことに、驚いてるの」

「…………」


は?

知ってた……?

意味がわからないという顔をする私に、りさは続ける。



< 133 / 361 >

この作品をシェア

pagetop