もっと大切にする~再会のキスは突然に~
7章

ヴヴヴヴヴ…

仕事帰りの道で、鞄の中で携帯電話の振動音がする。

通りがかったコンビニの時計を見ると、19時12分。

振動音はまだ止まらないけど、表示された名前も見ない。動揺もしない。


あの日、ガムテープできっちり蓋をしたそれは。

剥がれる気配は一向になくて、むしろもう一周新たに巻きなおしたくらい頑丈になっていた。


河合クンの仕事が終わったであろう19時前後にいつも鳴らされる電話を、この1週間の間私は一度も受けたことはない。

それどころか、河合クンがベビーの診察に来た時は何かしら用を見つけてナースステーションから逃げ出し、うっかり廊下ですれ違いそうになれば一緒にいる患者さんやスタッフと話に花を咲かせる。


河合クンの視線が、私のことを追っているのは横目で感じながらも、1度も目を合わすことはなかった。
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