ひとまわり、それ以上の恋
「市ヶ谷さ、……」

「……いいよ。言ったからには、責任をもたないと。これからはなんでも頼ってくれていい」

 彼の言葉を察するに、そういうこと。

 失敗したな、と、あとで後悔しても遅い。

 市ヶ谷さんは私を、この日から、娘以上には見てくれなくなったっていうことだから。


 こんなに胸がときめくのに。

 こんなに意識してドキドキしてるのに。

 父親代わりにだなんて、思えるわけないのに。


 ダメだ、私……もっと大人にならないと。

 仕事を、しっかり頑張らなくちゃ。

 反芻しながら、私は彼のシャツに皺が寄らないように爪をたてぬように、そっとしがみついた。




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