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「いただきます」
「美味しそうだな」

 二人で済ませる夕食。だけど会話は、あまりはずまなかった。

「お風呂、入ってくる。パソコンいじっててもいいよ」
「うん、わかった」

 私はお風呂に入る。
 私は陣に帰って良いと言わなかったし、陣も帰るとは言わなかった。

「どうする?」

 お風呂からあがって、私は陣に聞いた。

「私は、寝るけど」

 それでも、一人では眠りたくなかった。

「……一緒に寝ようか?」

 陣が、凄く真面目な顔で言った。
 私は小さく肯いた。

 そうして、私達は、一線を越えてしまったんだ。
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