甘い誓いのくちづけを
鈍く痛む頭と、重怠い体。


それらを持ち合わせたあたしは、酷い倦怠感に襲われながらゆっくりと瞼を開けた。


窓から射し込む光の眩しさに、眉を寄せながら目を逸らす。


程なくして視界に入って来たのは、見慣れない天井だった。


「ここ、どこ……?」


夢の中じゃない事が何となくわかって不安が芽生え、慌ててガバッと起き上がる。


「……っ!……いっ、た〜い!」


その直後、キーンと響くような鋭い痛みが脳天を突き抜けるように走って、思わず涙が溢れ出してしまった。


咄嗟に、痛みが和らぐように手で頭を押さえる。


強い痛みに対して、それは気休め程度のものだったけど…


それでも、しばらくすると少しずつ鋭い痛みが落ち着いていって、最後には鈍痛だけが残った。


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