やっぱり、好きだ。
「俺はサヤちゃんに慣れなれしくされても、サヤちゃんをストーカーだなんて思わないよ。てゆーか、俺がサヤちゃんに慣れなれしくしたいってゆーか」
俺ではなく、森田がサヤ子のストーカー問題を否定する。聞き様によっては『翔太はそうは思ってないかもしれないが、俺は違う』とでも言いた気に聞こえる。自業自得なのに、森田にイラつく。
「・・・じゃあ、約束して欲しい。私が森田くんの嫌がる事をしていたら、その時にすぐ言って欲しい。すぐやめるから。すぐに直すから」
切実な目で森田を見上げるサヤ子。
なんで俺は、サヤ子にしなくて良い後悔と反省をさせているのだろう。
「それはサヤちゃんもね」
森田がサヤ子の頭をポンポンと優しく撫でた。
約束を交わし安心したのか、サヤ子は小さく微笑むと、『森田くんの連絡先、教えて下さい』と言いながら、ポケットから携帯を取り出した。