やっぱり、好きだ。
焦る私の腕に、
「俺は、サヤ子センセと帰るので」
安田が絡みついてきた。
うん!! 一緒に帰ろう安田!! ここぞとばかりに安田にピッタリくっつくと
「先輩命令。早く行け」
青山くんが私と安田を引き剥がした。
青山くんは、余計な事をしてしまった私の事を見逃してはくれないらしい。
「うー。じゃあ、また明日ね。サヤ子センセ」
私なんかと一緒に帰りたがってくれる安田が、淋しそうに私の頭を撫でた。
「また明日ね」
安田があまりにかわいいので、私も安田の頭を撫でようとしたが、届かない。
爪先立ちになりながら手を伸ばしていると、安田が膝を曲げてかがんだ。
「サヤ子センセも撫でて」
「弟にしたい」
安田の頭をわしわし撫でる。
「サヤ子先生、行きますよ」
青山くんがなかなか帰ろうとしない私の手を引いた。
青山くんまで名前の方で呼ぶんだ。