ルージュはキスのあとで



 なんか、憎めない人だなぁ。



 それが彼の第一印象だった。

 虚勢を張らずに、目の前の王子さまには笑顔で答えることができる自分がいた。
 



「そういうことなら……進くんで呼ばせてもらいます」
「うん。ありがとう」



 おどけて返事をする進くんが、なんだかおかしくて再び笑ってしまった。

 本当、なんか不思議な人だ。


 男の人が苦手で、しゃべることも、同じ場所にいるということにも苦手意識を持っていたのに、そんなことを微塵も感じさせないほどの人柄の良さ。

 進くんが、世間でひっぱりだこになっているというのも頷ける。



 メイクの王子さま、神崎 進。



 なんだか不思議で、キラキラしていて……やっぱり王子さまみたいだなぁとこっそりと思った私だった。



< 26 / 145 >

この作品をシェア

pagetop