悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~



「何考えてるの、灯里?」

「へっ……」

「どこで何をしてようとおれはおれだよ。もうお前の同僚じゃないけど、お前の恋人でしょ?」


さらっと何くわぬ顔で言った悪魔を、灯里は思わずまじまじと見つめてしまった。

その頬が次第に赤く染まっていく。


悪魔が自信家だというのは知っていたが、自分はまだ好きとか一言も言っていない。

しかし悪魔の中では既に二人は恋人同士という扱いになっているらしい。

――――やはり悪魔、人の身では考えもつかない強引さだ。

と思いつつも頬はますます赤くなっていく。


灯里は気恥ずかしさを隠すようにすっと視線を逸らした。

そんな灯里の腕をぐいと掴み、玲士は言う。


「次で降りるよ、灯里」

「あ、うん」


玲士の声とともに電車がブレーキをかけ始める。

灯里は玲士に腕を引かれ、立ち上がった。


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