愛を教えて ―背徳の秘書―
(3)男と女の思惑
雪音の男性経験は宗でふたり目のはずだ。

高校時代からたったひとりの男に捉まり、騙されて金づるにされていた。一度ほだされると、どんなダメ男でも見捨てずに尽くすタイプなのだろう。

だからこそ……。


「やっ! それ……だめぇっ」


ふいに太腿の力が強まり宗の頭を挟んだ。

セックスの最中、雪音はあまり声を上げようとしない。どうやら最初の男が、自分がイクためのセックスしか教えなかったようだ。


「やぁ……もう、ダメ……離して、そんなっ」


宗の与える快感の堪えきれなくなり、雪音は背中を弓なりの反らせた。

唇を噛み締め、肩で息をする雪音に素早くキスして、順に服を脱がせていく。今度は充分に用意してから、宗は雪音の中に身体を沈めていった。


「雪音、俺が欲しいと言ってくれ。誰よりも愛してると……必要だと」

「私から言うのは……イヤ……」

「愛してるよ。俺から離れないで欲しい」

「私も好き。オミくん……放さないで」


ふたりの吐息は次第に温度を上げ、真冬の寒さを忘れさせた。シーツはしっとりと湿り、まるで濡れた身体のままベッドに転がったかのようだ。

やがて、切羽詰った雪音の声に宗の小さな呻き声が重なった。


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