【密フェチ】切ない指先
切ない指先



今にも雨が降りそうな灰色の空。


数年ぶりに実家に帰るため、電車に乗っていた。


4人掛けの席の窓際に座り、田舎町の流れる景色を見ていた。



「綺麗な手してるね」


「そうか?」


「うん。私、アナタの手、好きだな……」


「手だけ?」


「そんなわけないじゃん」



反対側の4人掛けの席に座り、笑顔で会話する若いカップル。


彼らのそんな会話が聞こえてきた。




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