幸せになりたい
「琴音・・・あいつあんなでごめんな。
 あいつもあいつなりに俺のこと心配してくれてたんだと思うんだ・・・」


『分かってるよ。そんなこと。何にも思ってないし。
 それに・・・ここ好きだし。』

「ここに来るなとは言わないけど…
 一人であんまり飲むなよ。
 ・・・・わりぃー。わがまますぎだな。」


『いいよ別に。飲みたくなったら健太郎誘うし・・・
 それに、健太郎と一緒の方が安心だから・・・ 』


「ばーか。」


健太郎がなんだか可愛く見えてきた。

こないだまではこんな奴って思ってたのに・・・なんだかおかしい。



「なんだよ。何笑ってんだよ。」

『なんでもないよ。
 それより、会社で女子社員怒ってから女子社員人気落ちちゃってるよ…』


「あいつら うぜーからちょうどいい。
 飲みに行こうってうるさかったから・・・
 仕事終わったら、琴音と二人になりてーし。」


『もう・・・』


「なんだよ。」

健太郎のストレートな言葉が私の心にしみてくる。

うれしい・・・


『ありがと・・・』


「おれ・・・仕事バカだったから、女とどうやったらうまくいくか分かんねーけど、琴音の事大事にすっから・・・俺だけ見てろよ。
 それに・・・俺も我慢しないでなんでも言うから、お前もなんでも言えよ。」


『うん・・・』


なんだか、私をすべて見てくれると知るとうれしくてたまらなくなる・・・
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