密フェチ†色悪

彼の唇が、私の足の爪先に落ち

ゆっくり舌が這い上がってくる。


「ぁ、…」

仰け反る私。

なのに---

途中で気が変わったかのように、突然彼は動きを止める。


彼はいつも、私が本当に欲しいものをくれようとはしない。


「お願、い…」

私は彼の頭をかき抱き、目の下の泣きボクロにキスをする。

そうすると彼が悦んでくれるから…



彼の歯が、私の胸の先を挟んで---

「イ、っ---!」

彼から与えられるのは、いつも『痛み』と

---彼の舌が、赤くなった胸の先に絡む---

「ぁ、…あぁ…」

『快感』だけ。



体を裏返され、その上に彼の冷たい体が圧し掛かる。


「こんなヒドイ男のどこがいい?」

後ろから耳元に囁かれ、その低い声にぞくりと身を震わせた。


私に何を言わせたいの?

愛の言葉?
服従の言葉?

彼の唇がうなじを吸い上げる。


シーツから立ち上るのは、見知らぬ女がつけた香り。


本当になんてヒドイ男なの。


「…誰にでもこんなことするの」

「そう、誰にでもこんなことするんだよ」



彼は私の手首を押さえつけるように掴み、焦らすようにゆっくり貫いてくる。

私は身を震わせて、指の関節が白くなるほどシーツを握りしめた。



後は、彼の気が済むまでめちゃくちゃに抱かれるだけ。

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