お望み通り、構ってあげようか


しまった。長いこと見続けていたのがバレていた。

それにしてもコテリと小首を傾げてみせるなんて意外と可愛いぞこの男。



「そこまでして俺に構って欲しかったの?」



ふっと薄く笑ったのが、雰囲気でわかる。

なんていうか、糸のようにピンと張り詰めていた空気が、ぐにゅっていうか、ふにゅっていうか…とにかくこう、緩んだ感じがするんだ。



「俺がパソコンばかり見てるから嫉妬しちゃった?」



問い掛けながらも、彼のなかでおおよその答えは出ているらしい。

対する私はいとも簡単に本音を言い当てられたことに若干の挙動不審気味だ。


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