教組の花嫁
「めでたい。めでた過ぎる。こんなめでたい日が生きている内にあるなんて、思っても見なかったわ」
振舞い酒でほろ酔いの百合葉が、上機嫌で囁いた。
「それでは、行くわよ」
百合葉が気勢を上げた。
「おおお~」
信者たちが歓声を上げた。
「跡継ぎ様、万歳」
「永心様、万歳」
「跡継ぎ様、万歳」
「永心様、万歳」
「跡継ぎ様、万歳」
「永心様、万歳」
「・・・」
「・・・」
信者たちは、大声を上げながら行進を続けた。
長い長い提灯行列が、「命の泉」の力を誇示するようにゆっくりと行進を続けた。