教組の花嫁

 「私なら我慢できずに、げらげらと笑い出している所だよ。千葉君に頼んで、正解だったね」


 道心が笑いながら呟いた。


 「実は、私、途中で躓いて草履を蹴飛ばしてしまったんです。だから、片足は足袋のまま走っていたんですよ。その時は自分でも可笑しかったですわ」


 ほのかが自分の失敗を暴露した。


 「それは、見ものだったね。マスコミはその光景こそ撮影してテレビで流すべきだよ。なあ、千葉君」


 「そんな事があったの。知っていたら、私も起き上がって絶対に手を叩いて笑い転げていますわ。本当に残念ね」


 百合葉がほのかの失態を見逃して残念がった。


 「教祖様も千葉様も大嫌い」


 ほのかが、道心と百合葉を悪戯っぽく睨み付けた。そして、3人は顔を見合わせて笑い転げた。






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