眠り姫の唇


急に余裕をかまし出した男に、瑠香は言いように翻弄された。

涙の跡に舌を走らせ、また耳元で岩城が言葉をこぼす。


「瑠香は、可愛い。」





…ズルい。


そんな甘く囁かれたら、





もう抵抗出来ない。





首をついばむ岩城の後頭部に、そっと両腕を伸ばす。





素肌にかかる黒い髪に、愛しさが広がった。


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