センセイと一緒 ~feel.White~




「……白崎先生……」


口づけの後に鈴菜を見つめた、切なげな瞳。

あの瞳を思い出すと、鈴菜もなぜか切なくなる。

尚哉の心の中には好きな人がいる。

けれど節々で見せる尚哉のあの瞳は……

鈴菜を見つめるあの目は、本物だ。

演技であんな目はできない。


そして、あの目を思い出すと……

鈴菜は胸の奥が掻き毟られるように痛む。

……なぜなのだろうか。

鈴菜も心の奥底ではなんとなく気付いている。

……が、まだ……

向き合うのが、怖い。


自分は生徒で尚哉は教師だ。

……これ以上足を踏み入れてはならない。

そう思うのに……


鈴菜はぐっと目を瞑り、顔を布団に押し付けた。



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