センセイと一緒 ~feel.White~




「・・・お前・・・」


「……お前……」


少年は冷たい声で言う。

鈴菜はその冷たさに息を飲んだ。


「おれは約束を破る奴は嫌いだ」

「……っ……」


鈴菜は視界が滲むのを感じた。

……嫌い……。

少年に言われた言葉が鈴菜の心に突き刺さる。

そんな鈴菜に、少年は止めを刺すように言った。


「……お前なんか嫌いだ。顔も見たくない。もう二度とここに来るな」


その、言葉に。

鈴菜の目尻から大粒の涙が零れ落ちた。

……嫌われてしまった……。

もう明日からは会えないのに……

最後にもう一度、あの笑顔を見たかったのに……


鈴菜は踵を返し、駆け出した。

あれからどうやって家に帰ったのかは覚えていない。

出迎えた母が、驚いたように鈴菜を抱き上げてくれたのは覚えている。



< 46 / 215 >

この作品をシェア

pagetop