Cotton Candy【ベリカ限定】
「聞いてんの?」


眉を寄せて訊くと、雅がクスッと笑った。


「さぁな♪」


「雅、ウザイ……」


あたしが言うと、雅は楽しそうに笑った。


やっぱりムカつく……


そう思いながら、あたしは雅の隣で街を見下ろした。


フェンス越しの街には太陽の光が降って、雨の雫が綺麗に反射している。


紫陽花の花言葉の“心変わり”って、本当なのかもしれない。


この日、あたしの中で、雅に対する何かが変わったような気がした。


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