Cotton Candy【ベリカ限定】
夏の夜空の下…


あたし達は、何度もキスを交わした。


雅の唇があたしの唇に触れる度に目頭がグッと熱くなって、悲しくも無いのに涙が零れ落ちた。


切なくて、苦しくて…


どうしようもない程、胸の奥が締め付けられる。


この感情の呼び名を、あたしは知らない。


雨上がりの湿り気と匂い。


微かに聞こえる祭囃子。


あたしに触れる雅の手。


全てが切なくて、全てが愛おしく思えた。


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