夢の外へ
千景の部屋である。

パジャマ姿の千景が寝ぼけた瞳を私に向ける。

同時に、私は自分の服を確認。

…よかった、無事で何よりだった。

ホッと胸をなで下ろす私に、
「あのさ、俺酔っぱらいを犯すほど飢えてないから」

千景が一言を放った。

「なっ…!」

何よと言いかけたけど、気づく。

そうだ。

私たちの関係は上辺だけだ。

そう言うことは一切ない。

怒鳴りそうになりかけた自分を落ち着かせた。

「ずいぶん飲んだな。

お前、酔っぱらうとあんな風に乱れるんだな」

「は…はっ!?」

あんな風に乱れるですって!?

言い方も言い方なので、さすがにカチンときた。

「私、千景に何したって言うの!?」
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