プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ
 美羽の首筋に残るいくつもの刻印に気づいたミシェルが、肩を竦めて僕を見た。

 社内ではロンドン支社長の「独占欲」の噂が広がるかもしれない。
 邪魔をしにきたのはミシェルの方だ、仕方ないだろう。

 僕はミシェルを牽制するように眺めたが、彼女も恋人との旅行に浮かれているのだろう。

「5日間、よろしく」と、両手を差し出し、握手を求めて来た。


 子猫の名前は……ウィル。

 一体、どうしたことか。自分のミドルネームと同じ子猫を見て、溜息をつく。



 すっかり溺愛しそうな美羽を見て、僕は頭が痛かった。

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