六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「ちょっと、イヤミ忍者……」


「清良、やめて」



今の状況を詳しく聞こうとする清良を止める。



「本当に疲れたんだよ、きっと」


「でも……」


「だって、あんな……

あたし達の誰にもできない事をやったんだもの」



敵を二人倒し、式神の主にたどり着いた。


武術だけでなく、真言や炎の幻まで使える……。



「きっと、すごく力を使ったんだよ」



太一と清良は顔を見合わせ、それもそうかとうなずいた。


すぐそこでは、今まで鬼のような顔をしていた忍者の末裔が、安らかな寝息を立てはじめていた。


< 90 / 691 >

この作品をシェア

pagetop