ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
ベイブリッジを通って、中華街に車を走らせる。


「29年間…彼氏いなかったのか?十和子は…」


私の全てを知る風宮さんには嘘は付けない。



「うん。まぁー理想が高いのと縁がなくて・・・」


「ふーん…」


干からびかけていた私にも同時にふたりの男性が現れた。

それも一卵性の双子。


一人にはプロポーズされ、もう一人には貞操を奪われた。


「…でも、本当に良かったのか?」


奪った後で訊かれてもどうしようもない。


「干物女になる前に…処女は捨てたかったからいいの」


「干物女?くさや女の間違えだろ?」


く、く、くさやぁ~!!?あのくさや・・・



「私…臭かったの?念入りにちゃんと洗ったわよ!!」


「冗談だよ・・・」


「ホントに?ホントに??」
私は執拗に風宮さんに念を押す。
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