ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
皆の視線はキツいけど、二人で、社長室に戻っていった。



「29年間彼氏なしじゃあ、なかったっけ?」


「嘘だと認めますから、それ以上、言わないでください」


私は自分の嘘を素直に認めて、早足で秘書のデスクの椅子を引く。



「二人で何、言い合ってるの?」


社長は優雅に、背凭れに背中を預けながら、パソコンと睨めっこ。



「おい?兄貴…婚約発表くらい、自分でしろ!結婚するのは兄貴だろ?」



「え、あ…まぁ、そうだけど」


「たくっ」


風宮さんは眼鏡を外し、乱暴にネクタイを緩める。



「…なぁ?諒平…俺…眠いから…10時からの会議も出てくれるか?」


「はぁ?」


「頼むな…」


「・・・」





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